今回のテーマは、浄土教ではど真ん中の難しいテーマ「他力」でした。実は数日前に、最近「ガンダムUC」を一気に見て興奮冷めやらぬ私(平原)が、「ガンダムオタク」として鳴らすご門主に、「順序は逆になってしまったが、次は何を見るべきか?」という質問をしていたのですが、それを受けての彼の「いきなり感満載」な枕話で唐突に幕を開けました。
「私は『Z』を薦めるが、実は子供時代にそれを視聴ていた私は、とても居心地の思いをしながら観たり観なかったりでした…」と、ガンダム作品を知らない人間にとっては「私は今いったい何の告白を聞かされているのだろうか!?」と混乱するネタをぶっこみながらも、「その違和感の理由は、子供っぽい『白黒はっきりして欲しい』という思いをせせら笑うような『割り切れない』人物造形とストーリーだった」と続けました。そして、「『自力か他力か』というのもそれに似ており、実は『すぱっと割り切れない』、『全ての宗派がどちらとも持っているが、現れ方に差があるだけ』という事実を見なければ、『Z』が理解できなかった子供時代の私と同じようなことになるだろう…」という、分かる人には分かる(…ちょっと自信ないけど…)感じの説明で枕を締めたのでした。おみごと。
その後は順調(?)に、ご門主からは、古代インドでの浄土思想、特に「他力」的な発想が垣間見える経典の説明に入り、世親老師の唯識や刹那滅にも話が及びつつ、私の方からは、私が13歳以来特に慣れ親しんできた禅宗および真言密教という「自力っぽい」宗派の中に強烈に輝く「他力的側面」の解釈を行いながら、Berkeley時代のチベット密教との出会いなどについても話しました。最後は、参加された方から、時宜を得たとてもよい質問も出て来まして、有意義に締めくくれたと思います。合掌。
ちなみに、同様のテーマで開催されたオンラインコーチングサロン「21世紀的対機説法」での感想はこちらから。
P.S. 「Zガンダム」全50話ですよ…。どうしよう。