こちらは、「仏教と科学のサロン」と題し、仲の良い友人でもある本願寺ご門主の大谷光輪師と4年間にわたって続ける文化サロンの第13回目です。
「コロナは宗教改革を起こすのか?~ネット時代の宗教~」と刺激的なタイトルにしたのですが、開始早々に光輪師の「宗教改革は起こらないと思う」という結論じみたステートメントが飛び出すという、いつも通りぶっ飛んだというか枠に収まらない議論で幕を開けました。もちろん、コロナの影響は民間企業、行政や教育ばかりではなく、宗教の世界にも大きな変革をもたらしているのは事実なのですが、それらはあくまでも「方法」や「チャンネル」であり、それによってコアが変質するようなものであればホンモノの宗教じゃないだろう、今こそ本質の議論をしようぜ、というあたりを軸に話が進みました。
要するに、「skillful means(方便)」として捉えることが肝要であるという立場が両者ともに共通していたという感想です。世界で見られる宗教界の変化は事実として認識し、また、瞑想アプリや遠隔コミュニケーションなど新たなツールの登場も吟味ができる「オープンさ」を維持することこそが、抜群の「portability(移植可能性)」を持つと言われる仏教の醍醐味なので、そこは大事にする。が、ただたんに流されることとは訳が違うという、改めて仏教の来し方を確認するような議論で閉じたかと思います。
そういえば、本サロンの第1回目は2017/10/13(金)に半蔵門にて行われたので、今回は記念すべき「4周年」に当たりました!途中、コロナで1年10か月中断しましたが、今年7月からまた再開し、今後ともオンライン開催を続けて行きたいと思います。